世界のトレンドを日本に

クラフトビールやクラフトワインなど、大量生産ではなく、作り手がこだわってつくるお酒「クラフトリカー」が注目を集めています。それに伴い、今まで大手のお酒メーカーの陰に隠れ、隅に追いやられてしまっていた小規模な蒸留所にスポットライトが当たり、原材料や製法に独自のアイデアを持つ人たちが、小規模蒸留所の製造ラインを借りて、各自のこだわりのお酒をつくり始めたのです。

そして、少量生産による完全な品質管理のもと、こだわりの原材料と蒸留方法によってつくられた、本当に美味しいお酒が数多く誕生しました。

ブラジルのプレミアムカシャーサ「サガティバ」（カシャーサはサトウキビを原料としたブラジル原産の蒸留酒）、戦後初めてロンドンで開かれた蒸留所の単式蒸留器でつくられた「マーティン・ミラーズ・ジン」、フランス産ベリー系リキュール「シャンボール」の生みの親を父に持つ兄弟がつくった生姜リキュールやエルダーフラワーのリキュール、昔のレシピにこだわってつくられた「ザ・ビター・トゥルース」、ニカラグア産の老舗蒸留所がつくる最高に美味しいラム「フロール・デ・カーニャ」、アメリカ西海岸で生まれたニューウェーブ系酒造ブランド、セント・ジョージ・スピリッツのアブサンやハンガー・ワン・ウォッカなど。

ですから、わたしたちが取り扱う商品は、すべて100％自信を持ってバーテンダーの皆さま、一般消費者の皆さまにお勧めできるものだけです。

それが、わたしたちが取り扱う商品のコンセプトである“プレミアムスピリッツ”です。原点はクラフトリカーであり、使用する原材料・製法にこだわり抜いてつくられたもので、わたしたちが情熱を持ってお勧めできる商品です。その商品を使ってつくるカクテルで、笑顔の輪を広げることができるのが、わたしたちが考えるプレミアムスピリッツなのです。。

その中のひとつが、「コカレロ」でした。

アンデス原産のコカレロは、原材料のハーブや蒸留方法にこだわったプレミアムスピリッツです。そのため、決して安く飲める商品ではありません。

先ほどご紹介した数々のこだわりのお酒も、やはり少量生産で、厳選した材料を使って丁寧につくっていますので、どれも高級品です。多くは高級ホテルやオーセンティックなバーなどで使われており、わたしたちも美味しさを追求するあまり、そのような高級店をターゲットとした商品ばかりを取り揃えていました。

でも、もっと多くの人にプレミアムスピリッツの美味しさや楽しさを伝えたい、笑顔の輪を広げたい、と思っていたときに出合ったのが、コカレロだったのです。コカを含む17種類のハーブを原材料とするコカレロは、コカの葉の複雑な風味を抽出するために特別な蒸留方法を採用。コカ栽培の古い歴史を持つアンデスならではの神聖な飲み物であり、爽やかな香りとちょっぴり刺激的な味が楽しめるプレミアムスピリッツです。

この独特のストーリーとパンチの効いた風味、美味しさは、クラブやバーなどで気軽に楽しんでいただくのにぴったり。きっと若い人たちにも受け入れられるだろうと確信しました。

こうして小規模のバーやラウンジを中心にセールスを始めたところ、その独特の個性と美味しさが評判に。コカレロはクラブやホームパーティ、野外フェスなどの音楽シーンやイベントなどでも、楽しい雰囲気を盛り上げるお酒として注目の存在になりました。プレミアムスピリッツが徐々に浸透していくきっかけとなったのです。